chevron_right News(23.11.20)
金理有 個展「工芸ディアスポラ」開催のご案内
シガラキ・シェア・スタジオで制作している金理有さんの個展「工芸ディアスポラ」が、日本橋髙島屋 美術画廊Xで開催されます。
■11月22日(水)→12月11日(月)
■日本橋髙島屋 本館6階 美術画廊X
東京においでの際は、ぜひお立ち寄りください。
金さんのステートメント
私は、「日本の作家である」と名乗れても、「日本人の作家である」とは名乗れない、と言う葛藤に常に苛まれています。
それは私が韓国名、韓国籍を持つ反面、日本で生まれ、日本人である父親の血も半分受け継いでいるという複雑なアイデンティティによるものです。
2000年頃に起こった韓流ブームは同時に一部の尖鋭的な反韓言説も浮き彫りにしましたが、それでもなお、韓国名を持つと言うだけで差別されるような、私が幼少期〜思春期を過ごした日本の状況はかなり寛容なものへと改善されました。
同じように、私が偶然学び始めた「工芸」と言う領域は、明治期の開国や戦後のより一層の西洋文化の流入によって形成されたヒエラルキーにより応用芸術となされ、コンプレックスや自負心、羨望と反感を併せ持つような複雑なアイデンティティに向き合おうとする意識を醸成させて来ました。
分類という行為はある部分を際立たせる反面で、その中間にある緩やかな繋がりを見えづらくします。
その曖昧で、しかし確かに存在するグラデーションを可視化する一つの座標としての立場を表明したい。そんな想いで私は、彫刻とうつわの「間」を往来します。